全長52cm・重量6.4kgの小型軽量仕様により小型赤道儀にも搭載可能。175mmの超ロングバックフォーカスにより広範な応用性を確保。本格的な遠征撮影用アストログラフとして、抜群の機動力を誇る次世代のRC鏡筒です。
■光学系GS-200RCの光学系は自社研磨工場を持つGS社が技術の粋を結集して製造したもので、丁寧に研磨された鏡面は合成焦点面波面誤差PV=1/6λ以内・RMS=1/30λ以内という、写真用鏡筒としては異例の高い精度を示します。主鏡・副鏡の素材には溶融石英(クオーツ)を贅沢に使用。溶融石英は非結晶のため化学的にも熱的にも強く、精密な研磨が可能になると共に、膨張率が青板の約1/20、パイレックスの約1/8と格段に低いため、長時間露出中に温度変化で焦点がズレる現象も回避でき、高度な光学性能と確実なピントが維持できます。更に主鏡・副鏡には共に反射率99%のディエレクトリックコーティング(Dielectric
Coating /
誘電体コート)を施し、総合反射率98%を確保。通常のアルミメッキ+シリコンコートと比較すると総合反射率で30%以上明るいため、特に淡い対象の撮影において大きな威力を発揮します。十分に大きな副鏡と最小内径φ56mmの太く大きな主鏡バッフルの採用により、35mmフルサイズでも余裕でカバーする広大なイメージサークルを確保。安定した主鏡固定式のためミラーシフトも皆無。子午線越えや長時間露出の際に星像が流れる心配も全くありません。
■鏡筒仕様
鏡筒素材に軽量かつ堅牢なカーボンハイブリッドを採用しているのも本機の大きな特徴です。僅か6.4kgの軽量鏡筒は市販の多くの赤道儀に楽々と搭載可能。更にカーボンハイブリッドは膨張率が極めて小さいため、複雑なインバーロッド等を用いることなく、長時間露出中に温度変化で焦点がズレる現象も回避可能です。鏡筒内部には9枚の遮光環が配置され、迷光を徹底排除してコントラスト低下を防いでいます。スパイダーは1.5mm厚の4本足VANE型を採用し、回折像への悪影響を抑えると共に、輝星による十字光芒が少ない上質な写真が撮影できます。鏡筒上部及び下部には標準規格幅のアリガタ金具が装備されており、ビクセン・タカハシ・SYNTA等のアリミゾにそのまま搭載可能。鏡筒上部にも同規格のアリガタ金具が配備されており、ガイドスコープ脚等の搭載が可能です。もちろんファインダー脚用アリミゾ台座も装備しており、GS・ビクセン・AYNTA互換のファインダー脚が装着可能です。
■接眼部CNC切削加工による2インチ大型接眼部を搭載。鋭角段差のある幅広のラックレールを左右からディスクベアリング4個で挟み込む第二世代型のリニア・クレイフォード式を採用することにより、重量のある大型カメラやアクセサリー類を接続した場合でもタワミやガタが発生しません。ドローチューブ上部には各種計測や写真撮影時に便利なスケールも標準装備。付属の31.7mm変換アダプターには48mmフィルターネジ完備。2インチ&31.7mmアイピース・ストッパーには真鍮リング締付式を採用。堅牢なフォーカス・ストッパーも完備しており、長時間露出におけるカメラの完全固定対策も万全です。接眼部全体が360゜回転可能なため、写真撮影時の構図決定に非常に便利です。
■175mm超ロングバックフォーカス
本機のもうひとつの特徴は、2インチ接眼部端面から実に175mmというバックフォーカスの長さです。これにより通常の直焦点写真はもちろんのこと、フィルターホイールやオフアキシスガイダーなど様々な撮影用補助パーツ類を介しても確実な合焦が可能になり、応用範囲が大きく広がります。また接眼部の根元部分と望遠鏡本体との間にネジ込み装着できるM90大型延長リング3個(L25mm×2+L50mm×1)が標準付属しており、バックフォーカスが余る場合でも、接眼部に負荷をかけずに合焦位置の自在調整が可能です。
■光軸
主鏡・副鏡共に光軸修正装置が完備しておりますが、非常に光軸が狂い難いセル構造を採用しており、通常の移動や運搬等によって光軸が狂うことは殆どありません。(光軸は当社で1台1台正確に追い込んで出荷しています。)
■総合性能コマやアスを除去したリッチークレティアンの真価は直焦点星野撮影で発揮されます。長焦点を生かした系外銀河のクローズアップや、フラットナーを併用した細密な星野写真など、整った星像が写野周辺まで広がる見事な画質が得られます。色収差の無い純反射系のためCCD撮像にも最適。軽量仕様により大きな赤道儀を必要とせず、トータルコストが低く抑えられるため、今まで本格的なRCの導入に躊躇していた方にもお勧めできます。 |
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