1.さらなる収差補正スーパーEDガラスを2枚使用し、3枚目のレンズを前群に接近させ大口径化することで、色収差、球面収差をTOA光学系のように高次収差のバランスで絶妙に補正させたことにより、フローライトを2枚使用し屈折系として最良の収差補正といわれた旧モデルよりさらに性能が向上しています。 また、凹レンズにはエコガラスの中から最適な硝材を使うことで、近紫外域〜近赤外域(400nmから1000nm)までの広い波長域で色収差補正がされています。完全分離型ペッツバールは、これまでのFSQ-106同様、画角φ10度以上にわたって完全なフラットフィールドな像面を実現します。 旧モデルの2群系ペッツバールでは不可能であった広い画角における非点収差と像面湾曲の補正は、完全分離したアドバンスペッツバールの新型では見事に克服しています。このような改良によりイメージサークルφ88mmの全面に針の先で付いたような星像を結びます。 また、歪曲収差(ディストーション)も
旧モデルの約1/4にまで減少したことで、モザイク合成が楽になります。 |
2.周辺光量比の向上3枚目のレンズの径を大きくし前群に接近させることで、光束が急激に絞られず、光線の角度によるケラレ(ビグネッティング)が少なくなりました。 具体的には35mm版周辺で20%、φ70mmのサークルでは33%も前モデルに比べて光量が増しています。 また、小口径でも発散性の強いレンズを4枚目に組み込むことで、カメラマウントによるケラレも少なくなり、ビグネッティングによる輝星の回折光のクビレも少なくなっています。 |
3.高倍率眼視性能の向上最高傑作のフォトビジュアル望遠鏡FSQ-106EDは、f/5のフラットフィールドアストロカメラであるとともに、最高峰の眼視望遠鏡でもあります。エクステンダーQ1.6X(50.8)を使うことでF=850mm(f/8)となり、TOAと同等の収差レベルに補正され、回折限界までの高倍率が得られます。また、直焦点(f/5)での色収差も旧モデルより30%以上も向上しており、低倍率での眼視性能もより高性能化しています。 |
4.屈折望遠鏡では比類ないf/3.6新開発の3群4枚のレデューサーを接眼体後方に取り付けることでF=385mm(f/3.6)と、望遠レンズ並みの明るさになります。しかも、主焦点(f/5)と同レベルの色収差補正、フラットフィールド性能を維持しているので、デジタル一眼レフカメラによる撮影にも適した光学系になります。 |
5.バックフォーカスの延長旧モデルよりも66mm延長されたバックフォーカスにより、天頂ミラーの接続やエクステンダーQ1.6Xの接続がネジ込み式であったものが、他機種と同じように50.8mmスリーブ差込式で交換できるようになりました。これにより主焦点眼視観望の姿勢変化に対する対応、アクセサリーの交換が楽になります。また、50.8mm接眼アダプターは眼視以外のアクセサリー類の取り付けも対応しています。 |
6.MEF(減速微動装置)を標準装備新型のMEFは減速比を1:7とし たことで旧MEFの減速比1:10より荒くなりますが、荷重が掛かったときに起こるスリップ現象はある程度抑えられるようになりました。FSQ-106EDには、新型MEFが標準装備です。
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7.ベアリングを組み込んだ接眼体接眼体とドロチューブの摺動・保持とピニオン回転部にベアリングを採用したことで、精度と強度に対して安定した性能を維持することができました。また、ベアリングと可動部にはオイルの使用を極力減らすことで、低温時のピント合わせがスムーズに行えるようになりました。
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8.新形式のドロチューブクランプFSQ-106EDは新開発のドロチューブクランプを採用しました。従来のクランプ型式ではロック時に対象が視野の中で動くことがありましたが、新機構のドロチューブクランプの採用により、対象が視野の中で動くことがほとんどなくドロチューブを固定することができます。
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