●ステライメージは、天体写真のために設計・開発された画像処理ソフトウェアです。撮影した一枚一枚の天体写真が持つ可能性を最大限引き出し、「データ」を「作品」にまで引き上げます。
●「ステライメージ9」は、従来の画像処理エンジンを強化し CPU 性能を十分に活用した「高速化」を軸として、 昨今の高画素デジタルカメラの画像処理を考慮したパフォーマンスの見直しを行い、より洗練された天体画像処理ソフトウェアとなりました。
●一連の処理フローに対して自然な操作感を目指し、より使いやすくなった「自動処理モード」や新機能「セルフフラット補正」など機能面も進化。 初心者の方から中上級者の方まで迷わず快適に天体画像処理に集中していただける土壌を準備しました。 より高速化した「ステライメージ9」は、あなたの「創造力」のパートナーとなり、作品づくりを強力にサポートします。
■大幅な高速化を実現●「ステライメージ9」は、画像処理エンジンを根本から見直し、従来の約3〜10倍の高速化を実現しました。 「自動位置合わせ」や「コンポジット」にかかる時間も大幅に短縮。 「ぼかし」「シャープ」などの各種フィルタ処理も、心地よい速さで瞬く間に処理します。
●下記のグラフは高速化の一例として「ステライメージ9」と「ステライメージ8(旧製品)」を使用し、RAW現像(前処理)から自動位置合わせ、加算平均コンポジットを実行した場合の処理時間を比較したものです。
【画像】(CR2ファイル、5496×3670ピクセル)
ライト 64枚/ダーク 32枚/フラット 16枚/フラット用ダーク 16枚
【使用 PC のスペック】
(1)CPU:Intel Core i9-9900K 3.60GHz 8コア/16スレッド/メモリ:16GB /ストレージ:SSD
(2)CPU:Intel Core i7-7700 3.60GHz 4コア/8スレッド/メモリ:16GB/ストレージ:HDD
【ステライメージ仮想記憶設定】
最大使用ディスク容量:10000MB/物理メモリ利用優先度:ステライメージを優先
■コンポジット処理の自動化●近年、デジタル撮影した画像を多枚数コンポジットすることで S/N 比を向上させ、滑らかな画像を得たり淡い天体対象をあぶり出すスタイルが一般的になっています。 そのため、1枚ずつ作業を行っていてはRAW現像・ダーク/フラット処理などの前処理や、位置合わせ・コンポジットといった作業に多くの手間と時間を要してしまいます。 ステライメージは、これらの全行程を簡単な操作で自動化した「コンポジットパネル(自動処理モード)」を備えています。
※コンポジットに至る一連の工程を自動化
●使い方は簡単。撮影したライト(天体対象の写っている)画像、ダーク画像、フラット画像などをリストに追加して読み込みます。 前処理やコンポジット方法、自動位置合わせの設定などをセットして「実行」ボタンをクリックすると各処理過程が自動的に実行され、コンポジット済みの画像が出来上がります。
●前処理のみを事前に行っておき、設定を調整した上で改めてコンポジットから実行するなど、都合に合わせて作業を分割することも可能です。 コンポジット処理は、加算・加算平均をはじめ、彗星などの移動天体を固定する「メトカーフ」や星の軌跡を浮かび上がらせる「比較明」にも対応しています。
●「ステライメージ9」では、これらの自動処理を大幅に高速化しました(詳しくはコチラ)。 画像の読み込みからコンポジットまで、従来の約 1/3(実測)の時間で完了します。作品づくりの醍醐味となるフェーズの一歩手前まで、快速急行でお連れします。
※コンポジットパネルで自動処理中
■調整処理の一元化●コンポジット処理の後は、階調処理などで天体をより鮮やかに浮かび上がらせる作業に入ります。この作業工程は人それぞれの好みがあり、また初心者にとっては処理の順番で迷いがちです。
●この一見複雑な調整作業、実のところ必要な処理は階調、色調、ノイズカット、鮮鋭度の向上に尽きます。ステライメージは、これらをまとめて処理できる「画像調整パネル」を備えています。 各調整項目のスライダーを動かしながら、最終画像をリアルタイムに画面で確認、調整を繰り返すことができます。
※画像調整パネルでM42を仕上げ処理
■「詳細編集モード」で追い込み●従来の「詳細編集モード」で、さらに細かく作品を仕上げていくこともできます。
●ステライメージでは、星雲などの淡い部分に影響を与えず星だけをシャープにする「スターシャープ」やバックグラウンド部分のノイズを軽減する「バックグラウンドスムース」、アクロマートレンズで発生する青ハロなどを除去する「青ハロ・偽色除去」、ガイドエラーで歪んだ星像を修正する「ガイドエラー補正」など、天体写真に特化した特殊なフィルタや機能を搭載しています。
※詳細編集モードでトーンカーブ調整
●「もっと画像を仕上げたいけど、処理方法に自信がない」という方には「ステライメージ9」と同時発売の公式ガイドブックをおすすめします。 本書は天体画像処理の基礎理論からステライメージを使用した実践方法までを網羅した一冊です。 オールカラーで充実の内容。 初心者の方には基本的な理論から体系的に学んでいただくことができます。 中上級者の方にはより応用的なヒントや道しるべとなり、次の一歩をサポートします。
■新機能「セルフフラット補正」●「ステライメージ9」では、フラット画像を撮影していないくても処理中の画像自身からフラットフレームを作成し補正を行う機能「セルフフラット補正」を搭載しました。 光学系の周辺減光や迷光、センサー上のゴミなどによって発生する光ムラを取り除きます。
●下記のイメージは、東京の渋谷で撮影したM27(こぎつね座のあれい状星雲)です。 元の画像には背景に赤みがかったムラや周辺減光、まばらにポツポツとゴミの影が認められます。 このまま、さらに強調処理を施すと光ムラが目立ち作品づくりの妨げとなってしまいます。 図2も同様に、周辺が赤く光カブりを起こしており、後の画像処理に大きく影響を与えます。
※ 周辺減光・ゴミの影が目立つ画像(M27) 周辺が赤くカブりを起こしている画像(IC434付近)
■高解像度ディスプレイへの対応■より快適な操作感へ
●高画素のデジタルカメラが普及した昨今、画像処理においても 4K 以上の高解像度ディスプレイを使用するケースが増えてきました。 「ステライメージ9」では、より精細に画像を確認しながら作品づくりを行いたいというニーズにお応えするため、文字やボタン等の視認性向上を目指しました。 広大な画面を十分に活かした状態で、快適に操作を行っていただけます。
■「環境設定」でサイズ変更可能に
●従来のステライメージでは Windows の設定に応じた操作インターフェースの拡大・縮小を行っていました。 「ステライメージ9」では、これらを最適化したほか「環境設定」からサイズをお好みに合わせて、明示的に設定することができます。
■マルチディスプレイへの対応■作業中のディスプレイを自動認識・追従
●天体画像処理では複数のソフトウェアを横断的に使用したり、エクスプローラーで随時ファイル管理を行ったりします。 作業を効率的に行うため、複数のディスプレイを同時に使う方も多いのではないでしょうか。
●「ステライメージ9」は、メイン/サブディスプレイを認識しステライメージ本体の表示位置を常に把握することで、ダイアログやプログレスバーなどを適切な位置に表示します。 これにより、操作中の視線移動を減らすことで作業の効率化し、ストレスを低減します。
■ ディスプレイの増設・減設に対応
●「ステライメージ9」起動中に、ディスプレイを新たに設置したり、使用中のものを切断したりしても、ステライメージを見失うことはありません。 接続中のディスプレイに変化があった場合、改めてメイン/サブディスプレイを認識し適切な位置に表示します。