溶融石英+ディエレクトリックコートの高精度な純RC(リッチー・クレチアン)光学系を極低膨張カーボントラス鏡筒に搭載。スムーズで堅牢な3インチ大型接眼部の採用により確実なカメラ固定と大きなイメージサークルが得られ、165mmのロングバックフォーカスにより広範な応用性も確保(標準仕様)。ハイエンドマニア向けのDEEP-SKY撮影用大口径長焦点アストログラフとして、性能面・機能面共に卓抜したパフォーマンスを発揮します。
■光学系GS-RC/TRの光学系は自社研磨工場を持つGS社が技術の粋を結集して製造したもので、丁寧に研磨された鏡面は合成焦点面波面誤差PV=1/6λ以内・RMS=1/30λ以内という、写真用鏡筒としては異例の高い精度を示します。主鏡・副鏡の素材には溶融石英(クオーツ)を贅沢に使用。溶融石英は非結晶のため化学的にも熱的にも強く、精密な研磨が可能になると共に、膨張率が青板の約1/20、パイレックスの約1/8と格段に低いため、長時間露出中に温度変化で焦点がズレる現象も回避でき、高度な光学性能と確実なピントが維持できます。更に主鏡・副鏡には共に反射率99%のディエレクトリックコーティング(Dielectric
Coating /
誘電体コート)を施し、総合反射率98%を確保。通常のアルミメッキ+シリコンコートと比較すると総合反射率で30%以上明るいため、特に淡い対象の撮影において大きな威力を発揮します。十分に大きな副鏡と最小内径φ75mmの太く大きな主鏡バッフルの採用により、6×6サイズでも十分カバーする広大なイメージサークルを確保。安定した主鏡固定式のためミラーシフトも皆無。子午線越えや長時間露出の際に星像が流れる心配も全くありません。主鏡セル背面にはDC12Vで稼動する3基の主鏡冷却ファンが配備されており、温度順応を促進する工夫も施されています。
■鏡筒仕様
直径30mmの堅牢・肉厚なカーボンハイブリッドチューブによるトラス構造を採用。カーボンハイブリッドは膨張率が極めて小さいため、複雑なインバーロッド等を用いることなく、長時間露出中に温度変化で焦点がズレる現象も回避可能です。更に後部トラスの内側には金属製の鏡筒を別途配置し、主鏡への迷光射入や結露を回避する構造になっています。トラスを連結する前・中・後の各プレートは肉厚のある硬質アルミ合金製。中・後部プレートに設けられた長円形の穴は鏡筒運搬時や対象導入時の「取っ手」にもなり、軽快で確実な鏡筒グリップが可能です。更にトラス鏡筒は鏡面へのアクセスが容易なため、主・副鏡を取り外すための分解や再組立、それに伴う光軸の再調整など、煩雑な作業なしでユーザーによる光学系クリーニングが簡単にでき、常に光学面を綺麗に保って撮影に臨めることも大きな利点です。スパイダーは2mm厚の4本足VANE型を採用し、回折像への悪影響を抑えると共に、輝星による十字光芒が少ない上質な写真が撮影できます。後部鏡筒の下部には74mm幅の大型アリガタ金具が装備されており、Losmandy互換規格アリミゾ金具にそのまま搭載可能。(ALTER-N用アリミゾにも適合。)後部鏡筒の上部にも同規格のアリガタ金具が配備されており、Losmandy互換ガイドスコープ脚等の追加搭載が可能です。
■接眼部CNC切削加工による3インチ大型接眼部を搭載。鋭角段差のある幅広のラックレールを左右からベアリングで挟み込む第二世代型の堅牢なリニア・クレイフォード式を採用することにより、2〜3kgの重量級カメラやアクセサリー類を接続した場合でもタワミやガタが発生しません。減速比1:10のマイクロフォーカス機構の標準装備により、非常にスムーズでバックラッシュの無い繊細な合焦タッチが得られ、シャープなリッチークレティアン光学系のシビアなピント位置を逃しません。ドローチューブ上部には各種計測や写真撮影時に便利なスケールも装備。付属の31.7mm変換アダプターには48mmフィルターネジ完備。2インチ&31.7mmアイピース・ストッパーには真鍮リング締付式を採用。堅牢なフォーカス・ストッパーも完備しており、長時間露出におけるカメラの完全固定対策も万全です。接眼部全体が360゜回転可能なため、写真撮影時の構図決定に非常に便利です。
■165mm超ロングバックフォーカス
本機のもうひとつの特徴は、2インチ接眼部端面から実に165mmというバックフォーカスの長さです。これにより通常の直焦点写真はもちろんのこと、フィルターホイールやオフアキシスガイダーなど様々な撮影用補助パーツ類を介しても確実な合焦が可能になり、応用範囲が大きく広がります。また接眼部の根元部分と望遠鏡本体との間にネジ込み装着できるM117大型延長リング3個(L25mm×2+L50mm×1)が標準付属しており、バックフォーカスが余る場合でも、接眼部に負荷をかけずに合焦位置の自在調整が可能です。
■光軸
主鏡・副鏡共に光軸修正装置が完備しておりますが、非常に光軸が狂い難いセル構造を採用しており、通常の移動や運搬等によって光軸が狂うことは殆どありません。(光軸は当社で1台1台正確に追い込んで出荷しています。)
■総合性能コマやアスを除去したリッチークレティアンの真価は直焦点星野撮影で発揮されます。長焦点を生かした系外銀河のクローズアップや、フラットナーを併用した細密な星野写真など、整った星像が写野周辺まで広がる見事な画質が得られます。色収差の無い純反射系のためCCD撮像にも最適。軽量仕様により大きな赤道儀を必要とせず、トータルコストが低く抑えられるため、今まで本格的なRCの導入に躊躇していた方にもお勧めできます。 |
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